連載
症例をどうみるか 喉頭悪性リンパ腫の1例
望月 慧
1
,
大木 雅文
,
大畑 敦
,
高嶋 正利
,
二藤 隆春
,
菊地 茂
1埼玉医科大学総合医療センター 耳鼻咽喉科
キーワード:
喉頭腫瘍
,
嗄声
,
放射線療法
,
免疫組織化学
,
リンパ腫-びまん性大細胞型B細胞性
,
拡散MRI
Keyword:
Laryngeal Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Lymphoma, Large B-Cell, Diffuse
,
Hoarseness
,
Radiotherapy
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.1039-1042
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2020372709
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86歳女性。1ヵ月前から持続する嗄声を主訴とした。左仮声帯から喉頭蓋舌面にかけて表面平滑な隆起性病変を認め、血液検査で腎機能障害を認めた。MRIで喉頭左側にT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を示す腫瘤性病変を認め、左顎下腺背側にT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を示す腫大リンパ節を認めた。声門上部に発生した腫瘍性病変を疑い、病理診断目的に全身麻酔下で顕微鏡下喉頭微細手術を施行した。病理診断はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫で、Ann Arbor分類でStage IIEであった。また、国際予後指数は1であり、low risk groupに分類された。喉頭病変と腫大したリンパ節に対し放射線照射(40Gy/20Fr)を施行し、両病変が消失した。腎機能障害を伴っていたため、化学療法は実施しなかった。治療終了後1年の現在、再発を認めていない。
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