症例
ロタウイルス胃腸炎に筋炎を合併した2例
星野 柚紀
1
,
川村 陽一
,
仁紙 千尋
,
酒井 祐貴
,
野口 崇宏
,
辻田 由喜
,
中川 紀子
,
佐藤 賢吾
,
黒木 康富
1自衛隊中央病院 小児科
キーワード:
Creatine Kinase
,
ロタウイルス感染症
,
胃腸炎
,
筋炎
,
絶食
,
輸液療法
Keyword:
Myositis
,
Gastroenteritis
,
Rotavirus Infections
,
Creatine Kinase
,
Fasting
pp.2063-2066
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2022162022
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症例1は9歳女児。嘔吐、腹痛、下痢を主訴とした。入院4日前より主訴症状が出現し、入院時所見では、臍周囲に自発痛および圧痛を認め、さらに腸雑音の亢進と歩行困難が認められた。血液検査では血中クレアチンキナーゼ(CK)の著明な高値を認め、便中迅速検査にてロタウイルス陽性であった。身体所見および検査所見からロタウイルス胃腸炎および軽度の脱水と診断した。禁飲食および補液を開始したところ、消化器症状は改善し、嘔気や腹痛も認められなくなり、入院3日目に退院となった。症例2は7歳男児。発熱、嘔吐、全身の疼痛、下痢、不機嫌を主訴とした。血液検査ではCKの著明な高値を認め、便中迅速検査では、ロタウイルスが陽性であった。腹部単純X線、心電図超音波検査では、心筋炎を示唆する所見は認められず、CKアイソザイムの評価でもCK-MBの増加は認められなかったことから、ロタウイルス胃腸炎と診断した。入院後、禁飲食および補液を開始したところ消化器症状は改善し、不機嫌な様子も消失した。入院4日後にはCKの正常化を認め、経過良好にて入院8日目に退院となった。
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