症例
A型インフルエンザウイルス感染症直後に原因不明の肺び漫性壊死性肉芽腫を認めた小児例
谷口 千尋
1
,
五十嵐 登
,
阿保 斉
,
内山 明央
,
畑崎 喜芳
1富山県立中央病院 小児科
キーワード:
Ceftriaxone
,
インフルエンザ-ヒト
,
インフルエンザウイルスA型
,
壊死
,
咳嗽
,
胸部X線診断
,
MRI
,
肺疾患
,
発熱
,
肉芽腫-気道
,
Meropenem
,
Tebipenem Pivoxil
,
胸部CT
Keyword:
Cough
,
Granuloma, Respiratory Tract
,
Influenza, Human
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Necrosis
,
Fever
,
Lung Diseases
,
Ceftriaxone
,
Meropenem
,
Influenza A virus
,
Radiography, Thoracic
,
L 084
pp.847-853
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021256332
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症例は13歳女児で、発熱、後頸部痛、倦怠感、経口摂取不良を主訴とした。A型インフルエンザウイルス感染症の診断で加療されるも発熱と後頸部痛が持続し、主訴にて入院となり、検査所見ではCRPの上昇と血沈の亢進を認めたが、各種培養検査で病原性菌は検出されず、髄膜炎は否定的であった。入院3日目に乾性咳嗽が出現し、胸部CT検査で左S8の浸潤影と全肺野にランダムに分布する粒状影を認めたため、左B8の浸潤影を呈する部位より生検を行った。その結果、病理組織診断は壊死性肉芽腫であり、自然経過により症状は改善し、肉芽腫は月単位で消失した。本例では画像所見、病理学的所見、身体所見などから気管支中心性肉芽腫、血管炎の証左は得られず、水痘肺炎、Wegener肉芽腫、悪性疾患、抗酸菌感染症・真菌感染症、サルコイドーシスは否定的であり、肉芽腫を形成した病態は不明であった。
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