症例
児の血清カルシウム値の変動から母体の潜在性副甲状腺機能亢進症が判明した1例
田中 奈々絵
1
,
杉原 啓一
,
玉村 宗一
,
渡邉 康宏
1福井赤十字病院 小児科
キーワード:
Calcitriol
,
Calcium
,
副甲状腺機能低下症
,
新生児疾患
,
低カルシウム血症
,
妊娠合併症
,
副甲状腺摘出術
,
副甲状腺機能亢進症-原発性
,
Calcium Lactate
Keyword:
Hypocalcemia
,
Hypoparathyroidism
,
Infant, Newborn, Diseases
,
Calcitriol
,
Calcium
,
Parathyroidectomy
,
Pregnancy Complications
,
Hyperparathyroidism, Primary
,
Calcium Lactate
pp.1290-1292
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2019396281
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は日齢0の男児で、出生体重は2262g、身長は42.5cmで活気は良好であったが、低出生体重児であり、出生当日に経過観察目的で小児科入院となった。入院時の検査にて多血症と高カルシウム血症を認め、末梢ルートから糖液および細胞外液の十分な補液を行い、経過観察を行った。高カルシウム血症と低リン血症は徐々に低カルシウム血症と高リン血症に移行し、副甲状腺機能低下症による低カルシウム血症と診断した。以降、検査値から内服量の調整を行い、イオン化カルシウムの安定を確認した後、日齢25に退院となった。退院後は引き続き外来で内服量の調整を行い、日齢36で乳酸カルシウム内服を終了した。また、母体の精査の結果、頸部エコー、頸部造影CT、MIBGシンチグラフィーなどから原発性副甲状腺機能亢進症と診断された。診断確定後に上皮小体摘出術が施行され、組織病理所見により副甲状腺腫と診断された。
Copyright© 2019 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.