特集 母子感染症の必修知識-エキスパートに学び予防につなげる
総論 母子感染スクリーニング方法と診断の話題
山田 秀人
1
,
谷村 憲司
,
出口 雅士
1神戸大学 大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野
キーワード:
ウイルスDNA
,
トキソプラズマ症-先天性
,
サイトメガロウイルス感染症
,
原虫抗体
,
新生児疾患
,
新生児スクリーニング
,
リスク
,
原虫DNA
,
感染症垂直伝播
,
聴覚検査
,
妊娠合併症-寄生虫性
,
評価基準
,
後遺症
Keyword:
Cytomegalovirus Infections
,
Antibodies, Protozoan
,
Pregnancy Complications, Parasitic
,
Toxoplasmosis, Congenital
,
Hearing Tests
,
Infant, Newborn, Diseases
,
Risk
,
Neonatal Screening
,
DNA, Protozoan
,
Infectious Disease Transmission, Vertical
,
DNA, Viral
pp.23-29
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020120982
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<Key Points>(1)最近では、先天性CMV感染児の症候性/無症候性の割合や後遺症リスクは、母体の妊娠中のCMV初感染/非初感染の別にかかわらず同程度とされる。(2)全妊婦を対象とした抗体スクリーニングでは、半数以上を占める母体CMV非初感染(非活性化ないし再感染)による先天性感染児を見逃す。(3)妊婦ターゲットスクリーニングとして、リスク因子の症状や所見を認めた場合、母体血CMV IgGとIgMを測定する。IgG陽性であれば、保険適用で新生児尿CMV核酸検査を行う。(4)新生児聴覚スクリーニングでリファー(要再検)の新生児には、保険適用で新生児尿CMV核酸検査を生後3週以内にその分娩施設で行う。(5)トキソプラズマIgM陽性妊婦からの出生児は、症状や所見がなくても生後12ヵ月までフォローアップし、血液検査を行う。(6)出生前羊水でトキソプラズマDNA陰性であっても、分娩時羊水や新生児血液でDNA陽性となって先天性感染と診断されることがある。
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