特集 小児内視鏡外科手術の術中・術後合併症と対策
小児における胆道系疾患手術時の異所性胆管損傷
宮内 玄徳
1
,
畠山 理
,
佐藤 正人
1姫路赤十字病院 小児外科
キーワード:
再手術
,
術後合併症
,
術中合併症
,
胆管疾患
,
腹腔鏡法
,
磁気共鳴胆道膵管造影
,
胆道拡張症
,
腹膜炎-胆汁性
Keyword:
Bile Duct Diseases
,
Intraoperative Complications
,
Reoperation
,
Laparoscopy
,
Postoperative Complications
,
Cholangiopancreatography, Magnetic Resonance
pp.1211-1215
発行日 2020年11月25日
Published Date 2020/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2021096785
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5歳女児。嘔吐と腹痛を主訴に近医の小児科を経て、当院へ受診となった。精査により胆道拡張症と診断され、腹腔鏡下にRoux-en-Y法による肝管-空腸吻合術が行なわれた。だが、術後2日目に腹痛が増悪し、CTにて胆汁性腹膜炎が疑われ、再手術の方針となった。腹腔鏡下に肝門部-空腸吻合が施行されるも、吻合終了後も胆汁瘻が残存し、肝門部を再検すると副肝管断端の損傷が確認された。そこで再度、肝門部-空腸吻合を行うことで、胆汁瘻は認めず、患児は術後9日目に全身状態良好で退院となった。尚、本症例における副肝管は胆嚢動脈背側を通過し、総肝管に合流する久次分類III型の形態であり、この副肝管の存在に胆道拡張症の術前・術中に気づかずに副肝管損傷を生じたものと考えられた。
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