特集 ピーンチ!私はこうして切り抜けた
先天性胆道拡張症 腹腔鏡手術中に膵内胆管が引き抜けた
矢内 俊裕
1
,
東間 未来
,
益子 貴行
1茨城県立こども病院 小児外科
キーワード:
ドレナージ
,
十二指腸疾患
,
術中合併症
,
胆管疾患
,
腹腔鏡法
,
磁気共鳴胆道膵管造影
,
胆道拡張症
Keyword:
Bile Duct Diseases
,
Drainage
,
Duodenal Diseases
,
Intraoperative Complications
,
Laparoscopy
,
Cholangiopancreatography, Magnetic Resonance
pp.1015-1019
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2020146055
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1歳女児。嘔吐・腹痛・黄疸を主訴に当院へ紹介され、精査にて紡錘型の胆道拡張症(CBD)に伴う膵炎・閉塞性黄疸と診断された。膵炎軽快後に腹腔鏡下CBD手術を施行したが、術中にモノポーラ鉗子で膵内胆管を剥離していた際に膵内胆管が引き抜けてしまったため開腹手術にて膵内胆管抜去部の膵組織を縫合後、総肝管空腸吻合を行った。だが、術後1ヵ月のMRCPで膵頭部での膵管狭窄、膵管拡張を認め、膵管ドレナージを試みたものの、主膵管へのカニュレーションは困難であり、開腹手術で十二指腸縦切開後に乳頭切開を行い、膵管鏡にて膵頭部内を観察したが主膵管は同定できなかった。そこで、膵尾部切除による切断面から膵頭部内の主膵管断端を同定後、主膵管断端からカニュレーションを行った。その結果、初回手術後7年6ヵ月で膵管拡張や仮性膵嚢胞の再発は認められていない。
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