特集 周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル 第3版
新生児・乳児編 頭部、顔面、頸部 乳児期 音に対する反応がにぶいようです。聞こえているのでしょうか?
木村 優介
1
,
鴫原 俊太郎
1日本大学 医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
キーワード:
新生児スクリーニング
,
聴力検査
,
難聴
Keyword:
Audiometry
,
Neonatal Screening
,
Hearing Loss
pp.411-413
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020088401
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<回答のポイント>1)乳幼児は月齢により音に対する反応は異なるため、家庭・病院での行動観察が重要である。同時にコンピュータを応用した他覚的聴力検査を実施し、行動観察聴力検査とあわせて行うことで、聞こえに問題があるか否かの診断が可能となる。2)先天性難聴(生まれつきの難聴)の出現頻度は1,000人に1~2人とされており、他の先天性疾患に比べても頻度が高いのが特徴である。3)産科や助産院における新生児聴覚スクリーニング検査(newborn hearing screening:NHS、コンピュータを利用した自動検査)の普及により、聴覚障害児の早期発見・診断・療育が可能となった。4)新生児聴覚スクリーニング検査で「要再検査(refer)」となった場合には、遅くとも生後3ヵ月頃までに耳鼻咽喉科精密検査機関での検査が必要になる。5)もし、先天性難聴が発見された場合、現在は補聴器や人工内耳などの聴覚補償機器の技術革新も進み、聞いて話せるように療育や教育が可能となった。
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