特集 周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル 第3版
産科編 妊娠初期 卵巣囊腫があるといわれました。手術したほうがよいですか?
坂田 明子
1
,
中井 章人
1日本医科大学多摩永山病院 女性診療科・産科
キーワード:
MRI
,
腫瘍バイオマーカー
,
超音波診断
,
妊娠合併症-腫瘍性
,
卵巣腫瘍
,
卵巣嚢胞
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Ultrasonography
,
Pregnancy Complications, Neoplastic
,
Ovarian Cysts
,
Ovarian Neoplasms
,
Biomarkers, Tumor
pp.103-105
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020088265
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<回答のポイント>1)妊娠に卵巣嚢腫が合併する頻度は約5~6%であると報告されている。2)経腟超音波検査により、腫瘤の形状を観察し良悪性の評価を行い、腫瘤径の経時的な変化を観察する。3)妊娠に合併する卵巣嚢腫のうち最も頻度が高いのはルテイン嚢胞で、必ずしも手術は必要ない。4)ルテイン嚢胞や子宮内膜症性嚢胞などの類腫瘍病変が疑われる場合には経過観察する。良性腫瘍が疑われる場合には、原則的には非妊娠時の対応に準じて、手術療法か経過観察を選択する。強い疼痛などがあり、捻転、破裂、出血などが疑われる場合には、良悪性や妊娠週数にかかわらず手術を選択する。5)悪性または境界悪性腫瘍が疑われる場合、大きさや週数にかかわらず原則として手術を選択する。
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