特集 周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル 第3版
産科編 不妊と不育について 高プロラクチン血症といわれました。妊娠できますか?
大内 望
1
,
竹下 俊行
1日本医科大学 女性診療科・産科
キーワード:
高プロラクチン血症
,
鑑別診断
,
不妊症-女性
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Hyperprolactinemia
,
Infertility, Female
pp.19-20
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020088231
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<回答のポイント>1)高プロラクチン血症は一般女性で約0.4%に認められるとされている。さらに、月経異常や不妊症などをきたしている女性では約20%に高プロラクチン血症が認められる。2)血中プロラクチン濃度は日内変動があり、また月経周期内でも値が変動するほか、採血時のストレスでも上昇するといわれている。日を改めて複数回測定し、いずれも20ng/mL(測定方法により30ng/mL)以上であれば、高プロラクチン血症と診断する。3)血清プロラクチン値が30~50ng/mLと軽度上昇すると黄体機能不全や無排卵性月経がみられ、50~100ng/mLと中等度上昇すれば稀発月経や無月経の頻度もさらに増し、100ng/mL以上では無月経の頻度がさらに高くなるといわれている。そのような状態から、不妊症となることがある。4)高プロラクチン血症をきたす原因として、薬剤性(抗潰瘍薬、制吐薬、降圧薬、向精神薬、エストロゲン製剤など)、原発性甲状腺機能低下症、視床下部・下垂体病変、マクロプロラクチン血症などがある。5)原因によっては、妊娠しづらい病態もあるので原因検索とそれに見合った治療が必要である。
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