Topics「身近な話題・世界の話題」(168)
異種動物の体内で作製した臓器を利用した移植治療の可能性
山口智之
1
Tomoyuki Yamaguchi
1
1東京大学医科学研究所 幹細胞治療部門 特任准教授
pp.1506-1509
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018101506
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人工多能性幹細胞(iPS)の開発によって自分自身の細胞から治療用の細胞や組織を作ることが可能になり,治療用の細胞や組織をin vitroで作製する技術は著しく進歩した。しかしながら,in vitroにおいて多能性幹細胞から臓器を構築するということは容易ではない。今回我々は,多能性幹細胞に特有の能力であるキメラ形成能を利用して動物体内に膵臓を作製し,さらに作製した膵臓を利用した移植治療にも成功した。