特集 血栓溶解療法の今
4.深部静脈血栓症に対する血栓溶解療法
荻原義人
1
Yoshito Ogihara
1
1三重大学医学部附属病院 循環器内科 助教
pp.1405-1412
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201710047
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深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)に対する治療は,近年,方針が大きく変遷し,抗凝固療法のみで治療が完結されることが多くなった。しかし,より中枢側の症候性近位型DVTにおいては,慢性期に血栓後遺症(post-thrombotic syndrome:PTS)を発症するリスクがあり,そのようなケースでは,急性期において抗凝固療法単独ではPTS発症を抑制するのに不十分であることが多く,血栓溶解療法を要する場合がある。本稿では,血栓溶解療法に対する現在の考え方,適応,治療方法の種類と注意点について概説する。