特集 わが国の血液事業 ~現状と将来展望~
5.非溶血性輸血副作用対策
平力造
1
Rikizo Taira
1
1日本赤十字社血液事業本部 技術部 安全管理課長
pp.691-698
発行日 2017年4月30日
Published Date 2017/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201705055
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
輸血用血液製剤は,人血液を原料として製造されるロットを構成しない稀な医薬品であり,その細胞や血漿成分および生理活性物質による免疫原性は広義の臓器移植に該当する。そのため,個々の製剤ごとに成分等が異なり,惹起される反応は複雑で一律ではない。日本赤十字社ではこれまで,重篤な非溶血性輸血副作用に注目し,その実態を明らかにし,原因を取り除く努力を行ってきた。本稿では,日赤が輸血医療の安全性の向上のために実施してきた低減化対策について,取りまとめ報告する。