Topics「身近な話題・世界の話題」(155)
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターとそのレセプターについて
水上浩明
1
Hiroaki Mizukami
1
1自治医科大学 分子病態治療研究センター 遺伝子治療研究部 教授
pp.418-422
発行日 2017年2月28日
Published Date 2017/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201703082
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AAVベクターが遺伝子治療に幅広く使われるようになり,多くの臨床研究を成功に導くに至っている。特にさまざまな血清型に由来するベクターはそれぞれ異なる組織特異性を持ち,全体としてAAVベクターの有用性を高めている。組織特異性の根拠として各血清型のキャプシドに対応するレセプターの存在が想定されるが,まだ余り明らかにされていない。最近AAVの新たなレセプターが同定され,多くの血清型に関与し個体レベルでも重要な役割を果たしていることが示された。この分子の同定が契機となり,今後さらなる解明が進むことが期待される。