特集 超高齢化時代の血液疾患診療
5.高齢者骨髄増殖性腫瘍の特徴と治療
幣光太郎
1
Kotaro Shide
1
1宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野
pp.1713-1721
発行日 2013年11月30日
Published Date 2013/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201312061
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骨髄増殖性腫瘍の発症年齢の中央値は60歳代であり,患者の多くは高齢者である。診断時には,加齢が造血へ与える影響に注意する必要がある。60歳以上のPV,ET患者では低用量アスピリン+細胞減少療法が推奨される。また,心血管リスク因子の適切な管理も必要である。予後不良であるPMFでは非骨髄破壊的前処置により,高齢患者にも移植が可能となった。また,PMFに対するJAK2阻害薬ruxolitinibの臨床試験では,脾腫や全身症状の改善に加えて生存延長効果も示され,移植適応のない高齢患者に対する有用性が期待される。