小特集 骨髄線維症(MF) ~分子病態の解明から新規治療薬の開発まで~
3.骨髄線維症の治療
桐戸敬太
1
Keita Kirito
1
1山梨大学医学部 血液・腫瘍内科 教授
pp.117-123
発行日 2016年12月30日
Published Date 2016/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201701117
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骨髄線維症の治療は,生命予後の改善を目指した同種造血幹細胞移植と全身症状の改善と生活の質の向上を目指した治療の2つに大別される。同種造血幹細胞移植をどのような症例に,どの時期に,どのような方法で行うべきかについては様々な意見があるが,一般的には65歳未満でかつ予後分類で中間リスク-2以上の場合と考えられている。移植非適応例では,貧血や脾腫あるいは全身症候への対応を検討する。このうち,脾腫と全身症候については,ルキソリチニブの登場により従来の治療と比較し,改善が期待できるようになった。一方,貧血の改善や,生命予後を改善するような薬物療法は確立されておらず,今後の課題であると言える。