特集 血液疾患の真菌感染症
7.小児の真菌感染症
小林良二
1
Ryoji Kobayashi
1
1札幌北楡病院 小児思春期科 部長
pp.1709-1716
発行日 2016年11月30日
Published Date 2016/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201612083
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小児においては,深在性真菌症の危険因子として急性骨髄性白血病,再発,同種造血幹細胞移植があげられるが,意外にも小児の中での高年齢(8歳以上)が発症因子となる。このような症例に対しては,特に深在性真菌症の発症に注意して治療を行うべきである。投与薬剤に関しては,海外よりECIL 4 2011 Paediatric guidelines Fungi and antifungalsが,本邦から深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2014が出されており,それらを参考に選ぶべきであろう。さらに,小児ではボリコナゾールの血中濃度が上がりにくい特徴があるために注意が必要である。しかし,本薬剤は小児においても髄液中移行がよいことが証明されており,中枢神経病変を持った症例には有用と考えられる。