特集 血液疾患の真菌感染症
5.糸状菌感染症(アスペルギルス以外)
髙木伸介
1
Shinsuke Takagi
1
1虎の門病院 血液内科
pp.1685-1698
発行日 2016年11月30日
Published Date 2016/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201612059
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深在性真菌感染症の中でムーコル症が占める割合は10%に満たないが,抗アスペルギルス活性を有する抗真菌薬投与下でのbreakthrough感染症により,広く認知されつつある。急速に進行し,難治性で致死率が高いため早期診断が重要である。しかし,造血器疾患では生検困難な場合が多く,臨床像と画像所見はアスペルギルス症に類似し,特異的な血清診断法もない。したがって,ムーコル症が疑われた場合は,liposomal amphotericin Bと外科治療を組み合わせた包括的な治療の速やかな導入が望まれる。フサリウム症についてはさらに情報が少ないが,欧州のガイドラインを元に臨床的に重要なポイントをまとめた。