特集 血液疾患の真菌感染症
4.侵襲性アスペルギルス症
木村俊一
1
Shun-ichi Kimura
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター血液科 講師
pp.1677-1684
発行日 2016年11月30日
Published Date 2016/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201612051
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近年,CTをはじめとした画像検査,β-D-グルカンやアスペルギルスガラクトマンナン抗原などのバイオマーカーによる診断能の向上,新規抗真菌薬の登場などにより,血液領域における侵襲性アスペルギルス症(IA)の治療成績は以前と比べて改善傾向にある。しかし,依然として頻度は高く致死的な,重要な合併症の一つである。IAの適切な管理のためには,リスク評価に基づき,予防,診断,治療の戦略を立てることが重要である。本稿では,今年発表されたIDSAガイドライン改訂版の内容にも触れながら,血液領域におけるIAの予防,診断,治療の流れを概説する。