増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅹ.技術講座
8.糸状菌の同定
西村 和子
1
1千葉大学真核微生物研究センター
pp.324-329
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902814
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
病原真菌は,その形態により酵母と糸状菌に分けられ,それらの同定法にも大きな違いがある.酵母菌種は単細胞性で,形態に大差がないため,同定には主に生理生化学的および血清学的方法が用いられている.一方,糸状菌の同定は依然として主に形態学的性状に基づいている.それゆえ,糸状菌の同定には菌学の知識と経験が必要であるが,内臓あるいは深部組織の真菌感染症の原因となる菌種は限られているので,ここでは医学的に重要な糸状菌菌種と,感染組織内や特殊な培養で酵母形であるが,通常の培養では菌糸形となる2形性真菌(Sporothrix schenckii,輸入真菌5菌種)に絞り込み,同定する方法を解説する(表1).
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.