技術講座 細菌
皮膚糸状菌の検査法
香川 三郎
1
1東京医科歯科大皮膚科
pp.752-755
発行日 1977年10月1日
Published Date 1977/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201469
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皮膚糸状菌とは,白癬,黄癬及び渦状癬の原因菌を指すが,ここではやや広い意味に解釈して,皮膚科で日常みられる真菌として,白癬,カンジダ症及び癜風についての検査法を述べることとする.
一般に真菌症の診断には,病的材料中にその原因菌の菌要素を直接見いだす直接検査が重視される.それは病的材料中の菌の形態を見れば,その菌が寄生しているものか雑菌的に存在しているものかも分かるし,またその菌が白癬菌であるかカンジダであるのかの区別も,その形態を見れば容易に判別できるからである.ただし白癬菌であることが分かっても,いかなる菌種によるものかは,培養して菌集落を得て,その菌につき肉眼的及び顕微鏡的な検査をしないと正しい菌種の同定はできない.従って真菌の検査には,直接検査と培養とを同時に行わなければならないことになる.
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