特集 血液疾患の真菌感染症
3.カンジダ感染症
冲中敬二
1
Keiji Okinaka
1
1国立がん研究センター東病院・中央病院 総合内科・造血幹細胞移植科
pp.1667-1675
発行日 2016年11月30日
Published Date 2016/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201612041
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侵襲性カンジダ感染症は,好中球減少や細胞性免疫不全がなくても発症し得るため,発熱性好中球減少症以外の症例でも注意が必要である。しかし,診断は難しく,予後も悪い。予後改善のためには早期の治療開始が不可欠であり,確定診断の得られないまま経験的治療の開始が必要となることが少なくない。1990年頃より,カンジダをターゲットとした複数の抗真菌薬が登場したが,血液疾患患者においてカンジダは依然主要な病原体である。第一選択薬はエキノキャンディン系抗真菌薬であるが,近年は薬剤耐性の問題もあり,薬剤感受性試験の実施も検討する。