特集 小児造血器腫瘍の特色 ~分子的理解から治療開発まで~
序 ~小児造血器腫瘍の特色と治療開発の方向性~
堀部敬三
1
Keizo Horibe
1
1国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター長
pp.1501-1505
発行日 2016年10月30日
Published Date 2016/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201611017
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小児造血器腫瘍の病理病態は,成人の同名疾患と異なることが知られていたが,近年の次世代シーケンシング(NGS)による網羅的ゲノム解析研究により分子病態が解明され,疾患内の遺伝子異常の多様性が明らかにされるとともに,新たな遺伝子異常の発見によりバイオマーカーの同定やドライバー遺伝子を標的とした治療開発が行われている。また,がん体質や薬効にかかる体質の同定が進み,ゲノム情報に基づいた医療の実践が可能になり,ゲノム医療の実現に向けた取り組みが開始された。