Topics 「身近な話題・世界の話題」(138)
ゲノム編集技術を用いたHIV感染症の治療
内堀亮介
1
Ryosuke Uchibori
1
1自治医科大学 免疫遺伝子細胞治療学(タカラバイオ)講座/分子病態治療研究センター 遺伝子治療研究部 助教
pp.368-372
発行日 2015年2月28日
Published Date 2015/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201503076
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HIVはヒトの免疫細胞に感染して免疫不全を引き起こす。現行の治療では抗ウイルス剤でHIVの増殖を抑える方法が採られているが,HIVは潜伏期間を経て再び活性化するため生涯に渡る投薬治療が必要になり,完全治癒も望めない。しかし,近年目覚ましい進歩を遂げている,いわゆるゲノム編集技術を応用することで,HIVを体内から完全に排除して感染症をコントロールする新しい治療法が開発されている。