特集 骨髄学 ~造血ニッチ研究から見えてきた形態学から分子基盤まで~
3.細動脈性ニッチが導く造血幹細胞ニッチモデル
國﨑祐哉
1
Yuya Kunisaki
1
1九州大学病院 病態修復内科学・遺伝子細胞療法部
pp.329-334
発行日 2015年2月28日
Published Date 2015/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201503037
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造血幹細胞の機能は,その微小環境(ニッチ)からの特異的なシグナルによって,厳格な制御を受けている。「骨芽細胞性ニッチ」と「血管性ニッチ」という概念が提唱されているが,その骨髄内局在は明確に示されておらず,また,この異なる2つのニッチが,どのように造血幹細胞の機能を制御しているかは明らかとなっていない。筆者らは,骨髄3次元イメージング技術を確立し,造血幹細胞の分布をより詳細に解析することにより,「骨髄細動脈ニッチ」を見出した。この「細動脈ニッチ」の存在により導かれる新たな造血幹細胞ニッチモデルについて議論する。