特集 赤血球造血の基礎と臨床
3.低酸素および低温環境ストレスと赤血球造血
前川峻
1
,
加藤尚志
2
Shun Maekawa
1
,
Takashi Kato
2
1早稲田大学 教育・総合科学学術院 教育学部 理学科 生物学専修 助手
2早稲田大学 教育・総合科学学術院 教育学部 理学科 生物学専修 教授/早稲田大学大学院 先進理工学研究科 生命理工学専攻 教授
pp.549-557
発行日 2014年3月30日
Published Date 2014/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201404039
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酸素を末梢組織に運搬する末梢赤血球数は,個体環境の酸素分圧の変動に応答して精密に調節される。環境に応答する造血生理研究の先駆者の取組みには学ぶことが非常に多い。腎臓で産生される赤血球産生因子エリスロポエチンが純化され,遺伝子組換え医薬が登場して以後,赤血球造血の捉えられ方は大きく変貌を遂げた。赤血球造血の低酸素応答に関しても膨大な知見が蓄積されてきた。一方,酸素環境だけではなく赤血球造血に影響を与えるストレスとして,環境温度についても様々な動物で報告されている。