- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
原典 1)Burkitt D:A sarcoma involving the jaws in African children. Br J Surg 46:218-223, 1958. 2)Burkitt D, O'Conor GT:Malignant lymphoma in African children. I . A clinical syndrome. Cancer 14:258-269, 1961. 3)Burkitt D:A“tumour safari”in East and Central Africa. Br J Cancer 16:379-386, 1962. 要旨 Denis P. Burkittは,アフリカ,ウガンダの病院で顎骨が異常に腫れた患児2人を続けて診察した。これがきっかけとなり,同様の症状・病理組織像を呈した患児の記録を自分の病院と近隣の病院から集め,黒人小児の顎骨に発生する「肉腫」がこれまで報告されたことがない新しい疾患であると報告した。続いて,顎が腫脹した患児の写真をアフリカ中の病院の医師に配布し,情報提供を呼びかけた。さらに70日間にわたって1万マイル以上を車で走破し(自らtumour safariと称した),アフリカ10カ国56病院を訪れ,症例を集積した。その結果,このリンパ腫は5,000フィート以上の高地では発見されないことから,最低気温が華氏60度以上の赤道直下に限局して発生し,蚊が媒介するウイルスが原因ではないかと推測した。原因のEpstein-Barrウイルス(EBV)は蚊によって媒介されるものではないが,BurkittがEpsteinに送った組織の培養細胞からEBVが発見されたのは,その後間もなくだった。