特集 移植片対宿主病(GVHD)の制御
4.長期フォローの観点からの慢性GVHDの制御
加藤淳
1
,
岡本真一郎
2
Jun Kato
1
,
Shinichiro Okamoto
2
1慶應義塾大学医学部 血液内科 助教
2慶應義塾大学医学部 血液内科 教授
pp.623-632
発行日 2013年4月30日
Published Date 2013/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201305623
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慢性GVHDは,同種造血幹細胞移植後の長期生存者の非再発死亡とQOLの低下の原因として最も重要な移植後合併症の一つである。近年,移植技術・支持療法の進歩により移植後の長期生存者数は着実に増加し,慢性GVHDによる移植後後期のQOLの障害への克服は重要な課題として注目されている。2005年に慢性GVHDの新たなNIH診断基準が提案され,慢性GVHDの病態・治療に関する臨床研究がより積極的に行われるようになった。慢性GVHDは外来フォローアップ中に発症することが多い。その障害される臓器が多彩で,症状も非特異的であることが多いので,早期の適切な診断,治療のためには,移植医を中心とした外来Multidisciplinary teamによる定期的な症状・徴候の確認が不可欠である。