特集 川崎病アップデート ~病因・病態論の推移と展望~
序 ~川崎病の病因および病態へのアプローチ~
森
1
Masaaki Mori
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生涯免疫難病学講座教授
pp.1369-1372
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018111369
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
川崎病は病理組織学的には系統的血管炎症候群の範疇に属し,中血管である冠状動脈に最も高頻度に冠動脈病変(CALs)を形成する原因不明の疾患である。これまで様々な病原体が川崎病の惹起因子として提唱されてきたが,本症における疫学・遺伝的背景・環境要因・病理学的側面・免疫学的側面のすべてを説明できうる病因は未だ同定されておらず,また冠動脈の拡張・瘤形成が高頻度でみられる病態も解明されていない。本特集では,川崎病の病因・病態研究の最前線から,本症の病因・病態の解明に極めて有用な研究内容が提示されている。