総説
複合型養子免疫がん治療
内藤康弘
1
,
神戸正臣
2
,
清水由布子
3
Yasuhiro Naito
1
,
Masaomi Kanbe
2
,
Yuko Shimizu
3
1医療法人社団 聖友会 内藤メディカルクリニック 理事長
2医療法人社団 聖友会 内藤メディカルクリニック 免疫細胞研究センター主任研究員
3医療法人社団 聖友会 内藤メディカルクリニック 免疫細胞研究センター研究員
pp.948-953
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201807948
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ナチュラルキラー(NK)細胞療法,活性型リンパ球療法または樹状細胞療法などの養子免疫を利用した治療法は,がん免疫治療として広く利用されている。以前までの養子免疫がん治療は,抗がん剤や放射線などに比べて副作用が少ない一方で,その奏効性に関しては高くないことが課題であった。近年,1細胞単体による治療法ではなく,複数の細胞を組み合わせた治療法を行い,細胞間相互作用などにより,腫瘍特異的細胞またはサイトカイン産生の増加が明らかとなった。これは抗腫瘍効果を高め,QOL(quality of life)向上にも繋がり,今後の養子免疫がん治療のストラテジーとして期待できる。