総説
慢性咳嗽の原因疾患と病態 ~咳・痰の適切な治療をめざして
玉置 淳
1
,
畔取康浩
2
Jun Tamaoki
1
,
Yasuhiro Kurotori
2
1東京女子医科大学病院呼吸器内科
2日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
pp.1663-1674
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201712093
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慢性咳嗽の原因は多彩であり,咳嗽は乾性咳嗽と湿性咳嗽に分けられ,乾性咳嗽の原因疾患には,咳喘息,アトピー咳嗽,胃食道逆流症,感染後咳嗽などが,湿性咳嗽の原因疾患には,副鼻腔気管支症候群,後鼻漏症候群,慢性気管支炎/COPDなどがある。そのほか,呼吸器以外の疾患でも咳嗽が発現する可能性があることから,多くの原因疾患を鑑別する必要がある。「咳嗽に関するガイドライン第2版」では慢性咳嗽の診断フローが示されており,専門医以外でも原因疾患の見極めや適切な治療選択が可能となったが,一方で不適切な診断や不十分な治療が難治化をきたすことから,咳嗽の原因疾患を正しく見極め,原因に応じた特異的治療を行うことが重要である。