特集 アレルギー疾患患者のQOL
Ⅲ.耳鼻咽喉科 4.薬物療法とアレルギー性鼻炎患者のQOL
青井典明
1
Noriaki Aoi
1
1島根大学医学部耳鼻咽喉科准教授
pp.1218-1225
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201709094
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アレルギー性鼻炎は喘息とは異なり生命を脅かすほどのものではない。しかしながらアレルギー性鼻炎患者においては,くしゃみ,鼻漏,鼻閉の3大症状に加えて,重症の場合は頭痛,頭重感,倦怠感,不眠,イライラ感などの多彩な症状に悩まされ,患者の生活の質(QOL)が著しく低下し,その結果として患者の就労・学習効率が低下する。患者の病型,重症度,過去の治療歴,ライフスタイルなど,さまざまな因子を把握したうえで,症状緩和のためのそれぞれの治療薬の薬理効果を十分に理解して治療を行うことで,症状のみならず,QOLの改善が達成でき,最終的に患者満足度が得られる治療となるものと考える。