足の痒み

Case

市販薬によるアレルギー性接触皮膚炎

　「足のかゆみ」で特異的なものに，市販薬による接触皮膚炎がある．

症例：30代，男性．市販の抗真菌薬を自己判断で外用していた．1週間ほどの経過で徐々に増悪し，足底足背部とも顕著な浮腫性紅斑と掻破痕を生じ来院した．

足に湿疹ができると患者は「ミズムシ」であると思い込み，市販の抗真菌薬を購入して外用することが多い．しかしながら，「自称ミズムシ」のうち，皮膚科学的な「足白癬」は1/3から半数程度である．つまり市販薬を自己判断で外用している患者の半数以上は，「ミズムシでない」，つまり「他の疾患」に対し使用していることになる．一般に抗真菌薬は刺激性が高く，刺激性の接触皮膚炎を生じやすい．この症例も同疾患を考え，very strongクラスのステロイド外用を1週間使用し，略治した．市販薬によるパッチテストは陽性．アレルギー性接触皮膚炎と確定した．