特集 免疫療法の現状と将来
Ⅱ.皮下免疫療法の現状と展望:アレルギー性鼻炎
吉川沙耶花
1
,
上條篤
2
Sayaka Kikkawa
1
,
Atsushi Kamijo
2
1埼玉医科大学耳鼻咽喉科・アレルギーセンター助教
2埼玉医科大学耳鼻咽喉科・アレルギーセンター准教授
pp.1066-1071
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201608024
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現在我々は,アレルギー性鼻炎に対して,皮下免疫療法(SCIT)と舌下免疫療法(SLIT)の2つの治療選択肢を持っている。安全性の理由からSLITに注目が集まっているが,有効性に関しては,SCITの方がSLITよりも大きな臨床的有益性が得られることが示唆されている。複数のアレルゲンに対する治療を行う場合,SCITではその方法論が確立している。SCITであれば月に1回の維持で済むため,運動習慣のある学生などにおいてはSCITの方が適する場合もある。したがって今後もSCITの需要はあり続けると考える。