特集 「アレルギー総合医」と「アレルギー専門医」の位置づけ
Ⅱ.各領域における「アレルギー総合医」と「アレルギー専門医」 4.皮膚科領域
片山一朗
1
Ichiro Katayama
1
1大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学皮膚科学教授
pp.788-795
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201606038
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アレルギー性の皮膚疾患を診療する上で,皮膚科専門医とアレルギー専門医としての皮膚科医の立場の違いはかならずしも明らかではない。また現時点において,皮膚科という基盤診療科に属するアレルギー専門医が総合アレルギー医として合併する喘息やアレルギー性鼻炎を診療することもまた難しい問題があり,他科の専門医との連携が不可欠である。将来的には,皮膚のアレルギー専門医としてより,広い視野に立ってアレルギー疾患の診療を行える皮膚科学会-アレルギー学会相互乗り入れ制の教育プログラムの策定と次世代のアレルギー専門医の育成,生涯教育などを提供できる学会での取り組みや地域でのアレルギーセンターの設立やEBMに基づいたガイドラインを整備していくことが重要である。合併する疾患の重症度を判断できる総合アレルギー医の資格を得るための指針や研修制度の具体案を提示し,アレルギー学会を中心に各科横断的な論議を深める必要がある。