特集 アレルギー・免疫疾患と東洋医学
Ⅱ.臨床 4.アトピー性皮膚炎と漢方治療
小林裕美
1
Hiromi Kobayashi
1
1こばやし皮膚科クリニック院長
pp.388-397
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201603388
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アトピー性皮膚炎(AD)の漢方治療は原則として標準的治療のみでは改善しない例が対象となる。ADに類似する他の疾患は少なくなく,漢方治療に際しても現代皮膚科学を駆使した的確な診断は必須である。標準治療に漢方を加える際,食養生から始めるのが取り組みやすい。食養生を加えるのみでは改善しない例に用いる漢方薬は多岐にわたり,各々の薬理作用の理解のもとに選択する。内因改善目的で用いる補中益気湯は,虚証を伴うADを対象とした多施設共同二重盲検法により6カ月以上の内服が外用薬の量を有意に減少させることが明らかとなった。