特集 好酸球性副鼻腔炎と周辺疾患
X.好酸球性肉芽腫性血管炎(EGPA)と好酸球性副鼻腔炎
下田真史
1
,
小出卓
1
,
滝澤始
2
Masafumi Shimoda
1
,
Takashi Koide
1
,
Hajime Takizawa
2
1杏林大学医学部呼吸器内科
2杏林大学医学部呼吸器内科 教授
pp.88-94
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201501088
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好酸球性肉芽腫性血管炎(EGPA)は気管支喘息や副鼻腔炎を合併する全身性血管炎症候群である。好酸球性副鼻腔炎は難治性副鼻腔炎で,嗅覚障害と末梢好酸球の増加,気管支喘息を伴うことが特徴とされる。2つの疾患はオーバーラップする概念であり,特に好酸球性副鼻腔炎はEGPAの発症に先行して認められる。EGPAに好酸球性副鼻腔炎が合併する場合,病初期の末梢好酸球数が高値であり,経過中も複数回の手術を要したり難治化することが多いと言われており,末梢好酸球増加を伴う例や難治例ではEGPAの発症に注意して経過観察をする必要がある。