総説
皮膚科領域におけるマクロライド系薬の可能性:痒疹,肉芽腫性疾患への応用
片桐一元
1
Kazumoto Katagiri
1
1獨協医科大学越谷病院皮膚科
pp.698-704
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201404116
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
マクロライド系薬は様々な薬効を有することが知られている。皮膚科領域においては,従来,好中球や好酸球機能抑制作用によると考えられる掌蹠膿疱症や水疱性類天疱瘡への有効性が示されている。本稿では,自身の診療経験に基づき,マクロライド系薬の有用性がある新たな皮膚科領域として,多形慢性痒疹を中心とした痒疹群,サルコイドーシスや環状肉芽腫などの肉芽腫性疾患,ジベルバラ色粃糠疹などの炎症性疾患を紹介した。痒疹の中でも,多形慢性痒疹では抗ヒスタミン薬無効32例中24例に有効性を示し,作用機序は明らかではないが,他の多くの掻痒性皮膚疾患への応用も期待できる。