特集 アレルギー性鼻炎の研究 アップデート
I.アレルギー性鼻炎と遺伝子多型
田中翔太
1
,
広田朝光
2
,
玉利真由美
3
Shota Tanaka
1
,
Tomomitsu Hirota
2
,
Mayumi Tamari
3
1理化学研究所ゲノム医科学研究センター呼吸器疾患チーム/山梨大学大学院医学工学総合研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
2理化学研究所ゲノム医科学研究センター呼吸器疾患チーム
3理化学研究所ゲノム医科学研究センター呼吸器疾患チーム チームリーダー
pp.674-681
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201305012
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アレルギー疾患などの多因子疾患においても,近年の大規模な全ゲノム関連解析(GWAS)により,疾患発症に関わる遺伝子多型についての信頼性のあるデータが得られるようになってきた。アレルギー性鼻炎のデータはまだ少ないが,ヨーロッパで行われたGWASにより,疾患発症やイネ科植物への抗原感作と関連のある領域が示された。それらの領域は,喘息やアトピー性皮膚炎と共通する疾患関連領域であり,種々のアレルギー疾患を順番に発症していく「アレルギーマーチ」の遺伝的なメカニズムを明らかにする一歩として期待されている。