特集 薬剤性肺障害の手引き
IX.生物学的製剤による呼吸器感染症の特異性
大河内康実
1
,
徳田均
2
Yasumi Okochi
1
,
Hitoshi Tokuda
2
1社会保険中央総合病院内科医長
2社会保険中央総合病院内科部長
pp.410-417
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201303078
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品である生物学的製剤は,関節リウマチなどの炎症性疾患への目覚ましい効果から臨床への応用・普及が広まっている薬剤である。生物学的製剤は炎症に係わる分子をターゲットとしているが,それら分子は免疫においても重要な役割を担っているため,副作用としての感染症の増加が注目されている。日本の市販後調査から,細菌性肺炎,結核,ニューモシスチス肺炎が特に注意を要する感染症であることが分かっている。本稿では生物学的製剤とこれらの肺感染症について概説した。生物学的製剤投与下の肺病変ではこれらの感染症の早期の鑑別,治療の開始が重要である。