Japanese
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特集 蚊媒介性ウイルス感染症理解の最前線
5.黄熱
Yellow fever
加藤康幸
1
Kato Yasuyuki
1
1国立研究開発法人国立国際医療研究センター国際感染症センター国際感染症対策室
キーワード:
黄熱
,
蚊媒介感染症
,
フラビウイルス
,
黄熱ウイルス
,
ネッタイシマカ
Keyword:
黄熱
,
蚊媒介感染症
,
フラビウイルス
,
黄熱ウイルス
,
ネッタイシマカ
pp.78-86
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201708078
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黄熱は古くから知られる蚊媒介性のウイルス性出血熱である。19世紀末~20世紀前半における黄熱の病原体・感染環の解明とワクチンの開発は,医学および公衆衛生学の輝かしい成果である。アフリカとラテンアメリカの熱帯林に生息するサルと蚊によって黄熱ウイルスは維持され,年間約10万人の患者が発生していると推定される。最近のアンゴラにおける流行は,ネッタイシマカがベクターとなる都市型の流行が発生しやすくなっていることへの警鐘と理解されている。同時に発生した中国における輸入症例はアジアへの流行地拡大という懸念を想起させることにもなった。常在地での定期接種に加えて,国際保健規則(IHR)に基づいた海外渡航者に対する予防接種も重要な対策である。