３．非結核性抗酸菌症のホスト側要因

Host susceptible factors to nontuberculous mycobacterial diseases

　非結核性抗酸菌（NTM）は結核菌と比較して病原性が弱いため，宿主側の要因が発症に相関することが予想される。宿主HLA（Human leukocyte antigen）が肺NTM症発症に関与していることが示唆されている。家族性遺伝性のNTM感染症の一部はメンデル遺伝様式に従うことからMendelian susceptibility to mycobacterial disease（MSMD）と呼ばれている。MSMDを生じる因子の多くはIFN-γ-STAT1-IL-12（interferon-γ－signal transducer and activator of transcription 1－interleukin-12）の伝達系に属する分子である。また，家族性肺NTM症の全exome解析より疾患感受性遺伝子を同定する研究が行われているが，CaucasianとAsian間では主成分解析で異なる因子が存在することが示唆されている。