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特集 非結核性抗酸菌症の今日的問題
1.非結核性抗酸菌症の疫学
Epidemiological status of pulmonary nontuberculous mycobacteriosis
森本耕三
1
Morimoto Kozo
1
1公益財団法人結核予防会複十字病院 医長
キーワード:
肺非結核性抗酸菌症
,
疫学
,
MAC症
Keyword:
肺非結核性抗酸菌症
,
疫学
,
MAC症
pp.25-32
発行日 2016年7月25日
Published Date 2016/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201608025
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肺非結核性抗酸菌症の増加を示す報告が相次いでいる。しかし,その正確な疫学情報の把握は結核のような登録制がないことから困難である。もっとも難しいのは,罹患率,有病率など人口ベース(10万人当たり)となるデータを得ることである。わが国ではAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の支援により世界的にも特異な手法(2014年全国調査)が行われ,罹患率は14.7/10万と,菌陽性結核を超えたことが明らかとなった。続いて世界的に主流となっている抗酸菌検査データ分析が行われ,菌種分布や有病率分布などが示された(2015年調査)。近年,途上国からの多剤耐性結核や再発結核とされていた中に同症が想像以上に多く含まれていたことが報告され,結核対策にも絡んだ重要な疾患と認識されつつある。