連載 カラーグラフィック
画像から読み解く感染症(13)
Ⅴ 心大血管 2.ステントグラフト感染の画像診断
末吉英純
1
,
坂本一郎
2
,
上谷雅孝
3
Sueyoshi Eijun
1
,
Sakamoto Ichiro
2
,
Uetani Masataka
3
1長崎大学病院放射線科 講師
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科放射線診断治療学 准教授
3長崎大学大学院医歯薬学総合研究科放射線診断治療学 教授
pp.4-10
発行日 2016年6月25日
Published Date 2016/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201607004
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近年,大動脈ステントグラフト留置術が大動脈疾患に対して広く行われ,安全性および有効性が報告されている。しかし,それにともない,ステントグラフト留置にともなうさまざまな合併症も報告されてきている。その中で,ステントグラフト感染は重大な合併症のひとつであるが,頻度は比較的低く,1%以下と報告されている。診断は,炎症所見や画像,微生物学的検査によってなされるが,画像診断,特に造影CTが診断に有用である。CT所見ではステントグラフト周囲に軟部組織陰影やガスがみられることが特徴的とされるが,非典型例や炎症の確認のためガリウムシンチグラムなどの核医学検査も鑑別診断に有用である。