連載 画像から読み解く感染症(12)
Ⅴ 心大血管 1.感染性大動脈瘤
林秀行
1
,
芦澤和人
2
,
松岡陽治郎
3
Hayashi Hideyuki
1
,
Ashizawa Kazuto
2
,
Matsuoka Yohjiro
3
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科臨床腫瘍学助教
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科臨床腫瘍学教授
3独立行政法人国立病院機構長崎医療センター統括診療部長
pp.4-11
発行日 2016年5月25日
Published Date 2016/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201606004
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感染性大動脈瘤は比較的まれな疾患だが,急速に増大し,対応が遅れると破裂し,致死的な転機をとりうる疾患として重要である。糖尿病や慢性的な免疫低下が存在することが多く,発熱,痛みという非特異的な臨床所見で発症するため,画像所見,特に造影CTの役割は重要である。急速に増大する嚢状動脈瘤で壁内にガスを認めた場合には特徴的な画像所見であるが,紡錘状の形態を呈することもあり,ときに炎症性大動脈瘤などとの鑑別が問題となる。早期に本疾患を疑うポイントとしては大動脈周囲の脂肪織濃度の上昇に注目することが重要である。