特集 感染症2020―冬のインフルエンザ・夏のオリンピックに備える
オリンピック時に問題となり得る感染症
マラリア
福島 一彰
1,2
1がん・感染症センター都立駒込病院感染症科
2長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科熱帯医学修士課程
キーワード:
マラリア
,
輸入感染症
,
熱帯医学
Keyword:
マラリア
,
輸入感染症
,
熱帯医学
pp.77-81
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_77
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Summary
▪マラリアは,熱帯・亜熱帯地域からの渡航者で発熱を認めた患者において,最も考慮すべき輸入感染症である.
▪マラリア罹患のリスクを見積もるために,渡航地域,渡航期間,現地での活動,蚊への曝露歴,予防対策や化学予防の有無を把握する必要がある.
▪発熱以外の臓器特異的な症状を認めないことが多いため,臨床症状のみから診断あるいは除外することは困難である.
▪適切な診断と治療によって治癒するが,治療が遅れた場合には死にいたる可能性のある危険な疾患である.
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