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連載 薬物臨床薬理事典(3)
新規C型肝炎治療薬ダクラタスビルとアスナプレビルの薬理作用と臨床成績 -インターフェロンフリー治療の幕開け-
The pharmacokinetics and clinical studies of novel agents Daclatasvir/Asunaprevir for chronic hepatitis with HCV infection -The beginning of Interferon-free therapy-
植木知子
1
,
室高広
2
Ueki Tomoko
1
,
Muro Takahiro
2
1ブリストル・マイヤーズ株式会社クリニカルリサーチ ウイルス疾患/神経領域
2長崎大学病院薬剤部薬品情報室 室長
pp.122-131
発行日 2015年5月25日
Published Date 2015/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201506122
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ダクラタスビル塩酸塩(以下,ダクラタスビルと略す,商品名:ダクルインザ®)はC型肝炎ウイルス(HCV)の非構造タンパク5A(NS5A)を阻害することにより抗ウイルス作用を示す新規作用機序の薬剤であり,世界ではじめて臨床現場に導入された。アスナプレビル(商品名:スンベプラ®)はHCV非構造タンパク3/4A(NS3/4A)プロテアーゼを阻害する薬剤である。ダクラタスビルとアスナプレビルの併用療法は,わが国初の経口剤のみによるC型慢性肝炎の治療法である。本併用療法の登場により,忍容性の問題から既存のインターフェロン(IFN)治療が困難な患者や,IFN治療で十分な効果が得られなかった患者など,特に有効な治療法のない患者に新たな治療を提供するものと期待される。