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特集 敗血症ショックの新たな理解と集学的治療法
II 臨床 5.播種性血管内凝固症候群(DIC)とSIRS関連凝固異常(SAC)
Disseminated intravascular coagulation and SIRS-associated coagulopathy
石倉宏恭
1
Ishikura Hiroyasu
1
1福岡大学医学部救命救急医学 教授
キーワード:
DIC
,
SAC
,
SIRS
,
rh-TM
,
AT III
Keyword:
DIC
,
SAC
,
SIRS
,
rh-TM
,
AT III
pp.99-107
発行日 2014年3月25日
Published Date 2014/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201404099
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播種性血管内凝固症候群(DIC)は,何らかの基礎疾患による凝固の亢進から,血管内に多発性微小血栓が生じ,病状の進行により消費性の凝固障害から出血症状が出現する病態である。これまで,DICの診断には旧厚生省DIC診断基準(旧厚生省基準)がもっとも汎用されていた。しかし,以前より救急・集中治療施設で管理するような重症患者急性期の早期DIC診断にこの基準は適していないことが指摘されていた。さらに,炎症反応と凝固反応は密接に関係した同時進行性の病態であることが認識されるようになった。日本救急医学会はDIC診断の遅れを回避し,炎症と凝固の連関を考慮した上でSIRS(全身性炎症反応症候群)関連凝固異常(SAC)という新たな概念を提唱し,急性期DIC診断基準を公表した。現時点におけるSACの治療は抗凝固療法のみならず,抗炎症を加味した治療を実施しなければならない。