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特集 敗血症ショックの新たな理解と集学的治療法
I 基礎 1.肺傷害をともなう敗血症ショックモデルによる病態解析
Pathologic analysis by an experimental murine model for lipopolysaccharide-mediated lethal shock with lung injury
小出直樹
1
Koide Naoki
1
1愛知医科大学医学部感染・免疫学講座 准教授
キーワード:
敗血症ショックモデル
,
肺傷害
,
α-galactosylceramide
Keyword:
敗血症ショックモデル
,
肺傷害
,
α-galactosylceramide
pp.26-31
発行日 2014年3月25日
Published Date 2014/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201404026
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マウスを用いた敗血症ショックモデルのひとつにガラクトサミンとエンドトキシンを用いた急性肝傷害モデルがあり,我々もこれまで多用してきた。しかしながら,ヒトの敗血症ショックでは肺病変が主病変である。敗血症ショックの理解のために,より臨床に近い肺傷害をともなった敗血症ショックモデルが必要と考えられた。そこで我々は,α-galactosylceramideを用いた新しい敗血症ショックモデルを考案した。このモデルでは主病変は肺で,ヒトの敗血症ショックと類似した。肺内で誘導されたIFN-γ(インターフェロンγ),TNF-α(腫瘍壊死因子α)や一酸化窒素などの炎症惹起物質が原因のひとつと考えられた。今回,このモデルの発症機序について病態を解析した。