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特集 世界に広がるトロピカルディジージズ
6.コレラ
Cholera
一瀬休生
1
Ichinose Yoshio
1
1長崎大学熱帯医学研究所アジア・アフリカ感染症研究施設 教授/ケニアプロジェクト拠点 拠点長/長崎大学アフリカ拠点 拠点長/長崎大学国際連携研究戦略本部 副本部長
キーワード:
コレラ
,
下痢性疾患
,
コレラの世界流行
,
アフリカ大陸のコレラ
Keyword:
コレラ
,
下痢性疾患
,
コレラの世界流行
,
アフリカ大陸のコレラ
pp.70-79
発行日 2013年7月25日
Published Date 2013/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201308070
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コレラは水様下痢と脱水を主徴とする腸管感染症の代表的疾患のひとつである。コレラの世界的流行は数度にわたるクラシック型コレラ菌の流行の後,1961年にインドネシア・スラウエジ島から始まったエルトール型コレラ菌による第7次世界流行が現在もなお猛威を奮っている。この流行の開始から半世紀以上も経過した現在でもいまだ終息の兆しもないまま,その流行は途上国を中心に拡大してきている。また,アフリカ大陸における2009年のコレラ患者総数は221,226人となり,世界全体のコレラ患者の98%を占めるに至っている。2010年には中米ハイチにおいてコレラの大流行が発生したが,患者数は減少しつつあるとはいえ,いまだ終息してはいない。今後のコレラの流行の動向および菌株の変異についても引き続き注視していかなければならない。